女性マンガ家

トキワ荘マンガミュージアム

「トキワ荘」は、「マンガの聖地」です。
トキワ荘マンガミュージアムが2020年7月7日から開館しました。
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、見学は予約制で、入館には人数制限があります。

 

 

 

トキワ荘は手塚治虫や石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄等がマンガ家として駆け出しの頃に住んで漫画原稿を描いていました。マンガ創世記に多くのマンガ家を輩出したトキワ荘でしたが、男ばかりのマンガ家に交じって紅一点のマンガ家がいました。女性マンガ家の水野英子です。

 

現在の女性マンガ家の有名どころでは、高橋留美子、荒川弘、さくらももこ等がおりますが、彼女たちの大先輩が水野英子です。
今では水野英子の作品名を聞いても多くの人は知らないかもしれません。私も全然ぴんときません。

 

初期の頃の少女マンガは男性マンガ家の手塚治虫や石森章太郎、赤塚不二夫等が描いいましたが、少女マンガを女性マンガ家が描くようになった先駆者が水野英子です。

 

水野英子はトキワ荘の果たした役割を後世に伝えようと、トキワ荘に纏わる資料の保存や、関連書物の発行、トキワ荘マンガミュージアムへの設立に努力をされてきました。すでにご高齢にもかかわらずその情熱に脱帽する次第です。

 

11人いる

女性マンガ家が描いたマンガにはほとんど興味を示さず、「バリバリ伝説」とか「ペリカンロード」などなどに熱を上げておりました。そのような作品群に囲まれていた中で、初めて女性漫画家の描いた作品に出合いました。萩尾望都の「11人いる」です。SFなのでとっつきやすかったのかもしれません。

 

強いインパクトを受けました。作家活動中なのに「全集」が出たので買って読んでいました。
その全集の中で、さらなるインパクトを受けたのが四コマの「モトちゃん」です。萩尾望都の代表作品は「ポーの一族」です。たしかに面白いです。でも「モトちゃん」は最高傑作だと思います。

 

SF作家光瀬龍原作「百億の昼と千億の夜」。原作を読んでいたのですが、萩尾望都のマンガには「え、そうだったの?」という場面があって解釈が新鮮でした。

 

SF小説であれば、言葉と言葉の間隙を読者の想像力で勝手に補うのですが、マンガという具体的な絵にするとき、それは萩尾望都のイマジネーションへの固定化なのです。それが我々の想像の遥か上を行くわけです。

 

日出処の天子

山岸涼子の「日出処の天子」にはまりました。厩戸皇子の超人的な能力をもってしても時代の圧倒的な流れに翻弄されてしまう姿を美しくも悲しく描いているのです。ノンフィクションを土台としたフィクションとしての歴史ロマンを描いていると思います。

 

この作品は哲学者の梅原猛の「隠された十字架」がインスピレーションになっているそうです。
歴史ものは、「歴史」を知り、当時の「建物」「服装」「食事」「生活」を知り尽くさなければ描けないものです。それでいてお勉強ではない、エンターテイメントを演出しなければなりません。